作編曲者のための
尺八
高座

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シリーズ22
ーーー 
仮想狂気を装ってみる ーーー


2010年の

明けまして〜
おめっ!

で、

今回は
ひっさしぶりに

「尺八講座」

にしたい
なるかな…
な、ならんかも…

え、

えーとですね、

今回は、
「タンギング」
のお話に
ムリヤリ持って行きますです。

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先ず、
下の楽譜をご覧ください



同じ音高の八分音符に
タイてもないスラでもない…
怪しげな円弧が描かれています。

普通に考えると
ワケワカメちゃんの記譜です。

これは尺八独特の奏法を
無理っくり
五線譜に持ち込んだ結果
と言って良いと思います。

タンギング原則禁止な
尺八的な奏法は、
タンギングデフォルトな
洋楽器奏法の記譜の五線譜上では、
特殊にならざるを得ません。

とにかく、上の楽譜を
尺八で演奏しますと
こうなります。



8連の同じ音に対して
前半4個はタンギング、
後半4個は尺八特有の「連打」という指使いで
同じ八分音符の4連が
異なっていることがお判りと思います。

(「連打」は運指で同じ高さの音を切る奏法)

つまり、
尺八の演奏を五線譜に記すると、
基本的には、
全ての音に対し
「スラ」
の弧が描かれることになります。
それが
同じ音の連続
であったとしてもです。

「スラ」の弧が無いところは、
本来の尺八奏法に非ずところの
タンギング奏法
を使うという指示となってしまいます。

さて、

「タンギング」
を使うと、
目的の音を
比較的楽に
「狙う」
事ができる感じがします。
(倍音、3倍音等への共振開始が
何故か制御しやすい)

しかし、
タンギングを使わないと、
目的の音を

「出しそこなう」

危険性が増します。

それを敢えてタンギング禁止の原則で
尺八は演奏を行います。

その分、
尺八は音の出だしを
しくじる可能性が高いです。

なので、音の出だしには
必要以上に気を使います。
(しかし、やっぱりしくじるっ!)

えっと、
さて…

前置きはこれぐらいにして
今回の

「仮想狂気」
ですが、

速いテンポの中で

「キレ」

を出すだめに
タンギングを
多用する羽目に
なっていますが、

キレとは関係ない
(と、思われる…
(尺八的に…)
ところは
タンギングを使いません。

仮想狂気


しっかし、
今のニッポン

仮想狂気

なのか

狂気の沙汰も金次第

なのか…

(2010.01.01)
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